プロダクトマネージャー(PdM)の管理対象は?需要が高まる背景や仕事内容・必要要素などを解説

人材育成 2023.11.27

こんにちは。「TECH PLAY ACADEMY」ライターチームです。

多くの企業のDX推進に伴い、プロダクトマネージャーを起用する企業が増えています。しかし、プロダクトマネージャーの需要は高く、人材獲得は難航するかもしれません。
ここでは、プロダクトマネージャーについて、役割や重視される理由、仕事内容などを解説します。
自社でプロダクトマネージャーの育成を検討する際は、ぜひ参考にしてください。

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プロダクトマネージャー(PdM)とは

プロダクトマネージャー(Product Manager,PdM)は、プロダクトの価値を高める仕事です。
プロダクトマネージャーの役割や、重視されることについて解説します。

プロダクトマネージャー(PdM)の役割

プロダクトマネージャーは、自社が提供するプロダクトに対して責任を負います。プロダクトには、製品や商品、サービスなどが挙げられます。オンラインで提供されるサービスやアプリも、プロダクトの1種です。プロダクトが市場に存在する限り、プロダクトマネージャーは、プロダクトが最大限の価値を発揮するようにマネジメントします。

プロダクトマネジメントで重視されること

プロダクトマネージャーは、経営者のビジネス的な思惑をくみ取りつつ、顧客が満足するUX/UIを実装できるように働きます。プロダクトマネージャーの本質は、プロダクトに関わるメンバーが円滑に働けるようサポートすることです。

なお、プロダクトマネージャーの仕事を図解したものを、プロダクトマネジメントトライアングルと呼びます。

プロジェクトマネージャー(PM)との違い

上述したとおり、プロダクトマネージャーの仕事は、プロダクトが市場に残る限り終わりがありません。一方、プロジェクトマネージャーの仕事は、プロジェクトが達成された時点で終わります。プロジェクトマネージャーはプロジェクトの達成を目的として、スケジュールや品質、予算、プロジェクトメンバーなどを管理します。

プロダクトマネージャー(PdM)とプロジェクトマネージャー(PM)の兼務は避けた方がよい

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの兼務は、おすすめできません。企業によっては兼務させる場合もありますが、それぞれの仕事は管理する対象が異なります。可能であれば担当者を分けた方が、業務の効率や精度が高まります。

プロダクトマネージャー(PdM)の需要が高まる背景

プロダクトマネージャーの需要が高まった理由を、近年の開発やプロダクトの傾向、DX推進に触れつつ解説します。

アジャイル開発が浸透したため

プロダクトマネージャーの需要が高まった背景には、アジャイル開発の浸透があります。アジャイル開発は、計画・設計・実装・テストを短期間で繰り返す開発手法です。アジャイル開発では、顧客の要望や市場ニーズを適時反映させて、効率よくプロダクトの質を高めます。

速やかにアジャイル開発を進めるには、課題を整理してメンバーが円滑に働けるように調整するプロダクトマネージャーが欠かせません。

オンラインで提供するプロダクトが増えたため

オンラインで提供するプロダクトで利益を得るためにも、プロダクトマネージャーが求められます。オンラインで提供するプロダクトにはサブスクリプション形式のものが多く、利益を伸ばすには顧客のニーズを反映して、プロダクトの価値を高め続けなければなりません。

しかし、プロジェクトマネージャーのみでは、プロダクトをリリースした時点でマネジメントが終わってしまいます。プロダクトの価値を追求し続けるには、プロダクトマネージャーが必要なのです。

DX推進が進んでいるため

各企業によるDX推進も、プロダクトマネージャーの需要に拍車をかけています。DX推進のリーダーには、プロダクトマネージャーが適任であるためです。

DXは、デジタル機器の導入により新しいビジネスモデルを生み出すとともに、業務効率化もかなえる取り組みです。自社の課題を突き止める、導入する設備に優先順位をつける、複数の部署の橋渡し役となるなど、DX推進のリーダーに求められる役割は、プロダクトマネージャーの仕事に共通する部分があります。

プロダクトマネージャー(PdM)の4つの仕事

プロダクトマネージャーの4つの仕事を解説します。プロトタイピングからプロダクトの効果測定まで、順に見ていきましょう。

1.プロトタイピング

本格的にプロジェクトを始める前に、プロトタイピングが行われます。プロトタイピングでは、簡単な試作品を作って、使用感やデザイン、課題などを確認します。プロトタイピングのメリットは、以下のとおりです。

・早い段階で課題に気がつける

・新しいアイディアが生まれやすくなる

・プロダクトで実現したい世界観を明確にできる

・事業戦略の策定に必要な情報を得られる

2.ターゲット設定

ターゲット設定の目的は、プロダクトの方向性の明確化です。ターゲット設定を間違えると、プロダクトの機能や品質がいかに優れていようと、成果が見込めません。ターゲットを詳細に設定するほどプロダクトに求められる仕様が絞られ、開発を進めやすくなります。

3.ロードマップ作成・目標値設定

ターゲット設定が終わると、プロダクトマネージャーは要件定義を行い、ロードマップを作成します。ロードマップの役割は、プロダクトに関する基本的な考え方をメンバーに共有してもらうことです。

プロダクトの目的や優先順位が記されたロードマップを見ると、メンバーはプロダクトについて理解し、適切な行動を取れます。また、ロードマップでは目標値となるKPIが設定されており、進捗状況を把握する目安になります。

4.効果測定

効果測定は、プロダクトから得られた成果の確認です。プロダクトが完成したあとも、プロダクトがある限り、プロダクトマネージャーの仕事は続きます。プロダクトマネージャーは、KPIと照らし合わせつつプロダクトの課題を見つけ出し、価値を向上させるべく改善計画を練ります。

プロダクトマネージャー(PdM)に必要なスキル・知識・経験

プロダクトマネージャーに必要なスキル・知識・経験を解説します。優秀なプロダクトマネージャーの育成に向けて参考にしてください。

1.課題解決スキル

プロダクトの要件定義からリリース後の価値向上まで、課題解決スキルはプロダクトマネージャーに欠かせないものといえます。課題解決スキルを高めるには、理解力やロジカルシンキングスキルといった複数のスキルを磨く必要があります。

2.創造力

創造力とは、新しいものを生み出す力です。既存品の模倣にとどまっていては、画期的なプロダクトは生まれません。顧客ニーズをつかむ観察眼やリサーチ力、データを正しく読み解く分析力、柔軟に人の意見を聞く姿勢などが、創造力の土台となります。

3.コミュニケーションスキル

社内外問わずさまざまな人と関わるプロダクトマネージャーには、コミュニケーションスキルが欠かせません。プロダクトマネージャーには、それぞれのメンバーに寄り添いつつ、意思疎通を図ったり、調整したりする役割が求められるためです。

4.計画力

中期的なロードマップ策定や戦略立案を行うため、プロダクトマネージャーには計画力も求められます。明確な計画を立てることができれば、プロジェクトの進行もスムーズです。特に、変化の激しい業界では、精度の高いスケジュールを素早く組み立てる力が問われます。

5.マネジメントスキル

プロダクトマネージャーは、さまざまな要素をチェックして、着実に計画が進むようにマネジメントします。計画どおりに進んでいなければ、仕事量や人材配置などを見直して、スケジュールを調整して対処しなければなりません。加えて、力を出し切れていないメンバーがいれば、パフォーマンスを発揮できるようにサポートします。

6.業界やプロダクトなどに関する知識

プロダクトマネージャーには、業界のトレンドや将来性から、プロダクトの技術的な知識に至るまで、幅広い知識が求められます。知識がなければ、要件定義や戦略立案に支障が出るためです。また、メンバーとスムーズに話をするためには、それぞれの仕事に対する理解が求められます。

プロダクトマネージャーが幅広い知識を身につけるには、日々アンテナを張って勉強する意欲が大切です。

7.実務経験

実務経験がないプロダクトマネージャーは、現場の様子が分からないため適切なマネジメントができません。知識のみでマネジメントしても、作業に要する時間が分からずスケジュールに無理が生じたり、現場から反発されたりする恐れがあります。下流から上流まで一通り経験した人が、プロダクトマネージャーに向いています。

8.実行力・推進力

プロダクトマネージャーには、実行力と推進力も必要になります。実行力は、目的達成に向けて課題を整理して取り組む力です。推進力は、価値観や専門性の異なるメンバーをまとめて行動を促すことです。実行力と推進力を持ち、メンバーから信頼されるプロダクトマネージャーは、リーダーシップを発揮できます。

【参考】プロダクトマネージャー(PdM)と関わりの強い職種

プロダクトマネージャーは、さまざまな職種と連携して働きます。プロダクトマネージャーと関わりの強い職種の一例を、以下に示しました。

・プロジェクトマネージャー(PM)

・プロダクトオーナー(PO)

・プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)

・チーフプロダクトオフィサー(CPO)

上述したように、プロジェクトマネージャーは、プロジェクトをマネジメントする仕事です。プロダクトオーナーは、開発部門の責任者です。プロダクトマーケティングマネージャーは、プロダクトマネージャーの仕事のなかでも、特に販売戦略に注力して働きます。

最高製品責任者とも呼ばれるチーフプロダクトオフィサーは、最高技術責任者や最高経営責任者などと相談しつつ、プロダクトに関して意思決定を下します。

まとめ

プロダクトマネージャーは、メンバーに働きかけ、プロダクトの価値を高めるようマネジメントします。優秀なプロダクトマネージャーには、課題解決スキルや創造力などの複数のスキルに加え、知識や経験も必要です。

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この記事を書いた人

TECH PLAY BUSINESS

パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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