アセスメントとは具体的に何を指す?実施の目的や注意点を解説

人材育成 2023.12.08

こんにちは。「TECH PLAY ACADEMY」ライターチームです。

アセスメントは、自社の人材能力について、客観的に評価する際に役立つ手法です。
エンジニア分野だけでなく、近年さまざまな分野や場面で使用が広がっています。

この記事ではアセスメントとは何かについて、その定義や実施する目的、導入時の注意点などを交えて解説します。
エンジニアの人事評価に関わる人はぜひ、参考にしてください。

アセスメントとは何か

そもそもアセスメントとはどのような意味なのでしょうか。
以下ではアセスメントの意味やビジネス場面で必要な理由など解説します。

アセスメントの広義の意味

アセスメントは一般的に「評価」や「査定」の意味があります。
従来この言葉は、特に「税」に関する場面で使用されてきました。
しかし日本では、特定の事象や人材をデータから客観的に評価する手法として、主にビジネス場面でも使用されています。

さらに近年、この評価手法はビジネス場面だけでなく、医療や介護などさまざまな業種・分野で用いられています。

ビジネスにおけるアセスメント

アセスメントの効力は、採用場面や人事配置などの場面で発揮されます。
ビジネス場面で用いられるアセスメントは主に、以下の3つです。

人材アセスメント

・組織アセスメント

・環境アセスメント

それぞれのアセスメントの詳細は後述します。
これらのアセスメントを適切な場面で活用できると、人事や組織、環境、リスクを客観的に評価可能です。
リスクや課題を適切に洗い出せると、トラブルにも未然に対処できます。

アセスメントがビジネスで必要な理由

近年、企業や顧客の利益を脅かす状況に対する、正しい評価や分析が不可欠です。
例えば労働災害や環境破壊、企業の信頼失墜に関わるインシデントの発生は、企業経営や利益を脅かすリスクとして挙げられます。
そのようなリスクを防止する効果が、アセスメントにはあります。

適切に状況の評価や分析によってリスクを予知し、企業や顧客の利益を守るために、多くのビジネス場面でアセスメントが採用され始めています。

アセスメントの利用場面

アセスメントは具体的に、どのような場面で利用されるのでしょうか。
利用すべき場面と実際の利用例を解説します。

アセスメントを利用すべき場面

アセスメントは人事業務との相性がよいため、多くの人事場面で利用されています。
例えば採用場面では採用者の主観で人材を評価しがちです。
しかしアセスメントを活用すれば、客観的な視点で人材採用ができます。また能力やスキルにマッチした適材適所の人材配置時にも、心理テストやシミュレーション、適性検査などの形でアセスメントは活用されます。

結果として、採用・配属でのミスマッチが抑えられます。
さらに、採用コストの削減や離職率が改善するだけでなく、従業員のモチベーション向上にもアセスメントは効果的です。

アセスメントの利用例

アセスメントは新しいテクノロジーを導入する場面でも有用です。
例えば医療分野では、患者の病状を正しく評価するために用います。
また介護場面では、介護を受ける人の状況評価を資料でまとめる際に利用可能です。
このように、さまざまな場面で特定のリスクを評価する際に、アセスメントは用いられます。

人材アセスメントの概要

人材アセスメントとは、企業以外の第三者機関が、それぞれの人材の資質や行動特性などの情報をベースにして、能力やスキルを正しく把握・評価することです。

以下では人材アセスメントの概要に関して、注目されている背景や実施目的、得られる効果など解説します。

人材アセスメントの背景

従来の日本企業では終身雇用・年功序列が基本でした。
しかし近年、少子高齢化による労働力不足によって、人材評価のあり方が成果主義へとシフトしました。
この変化に伴い、従業員の適性やスキルを最大限に活用する運営姿勢が、企業側にも求められ始めています。

またリモートワークをはじめ、働き方が多様化し、画一的な人材評価が難しくなっていることも、人材アセスメントに注目が集まっている要因といえるでしょう。

人材アセスメントの目的

人材アセスメントの目的は、人事や採用活動を客観的に行うことです。
このアセスメントを活用すれば、従業員をデータから評価できます。
採用場面では適性検査、昇格ではリーダーシップ要素など、用いられるアセスメント項目は対象者によって異なります。

アセスメント作成や分析には専門性が必要なため、業務を外部機関に依頼するケースも少なくありません。

人材アセスメントの効果

人材アセスメントには、多くのメリットがあります。
以下は人材アセスメント導入で期待できる主な効果です。

・採用時のミスマッチ防止:仕事内容や条件面、カルチャーなど企業側と求職者側の認識のズレを防ぐ

・人材配置の最適化:従業員のスキルや適性に合った人材を配置する

・管理職・リーダー候補の選出:実務、コミュニケーション能力などの資質を見極めて、組織にとって最適な人材を選出する

・評価者の主観が入らない評価が可能:人の考えや価値観を入れず、数値をベースに評価する

・生産性や効率性の向上:設備や資源投入などのインプットよりも、成果や付加価値などのアプトプットを増やす、業務で生じる無駄を省く

・従業員のモチベーション向上:企業が求める人材像を明らかにし、従業員が納得のいく評価を受けられる職場環境をつくる

・離職率の低下:離職リスクの高い人材を可視化して、早期に対策できるようにする

・採用コストの削減:社内の採用業務に費やされるコストを減らす

組織アセスメントの概要

組織アセスメントとは、従業員個人だけでなく、部署やチームなど組織全体を客観的に評価・分析することです。以下でその詳細を解説します。

組織アセスメントの目的

組織アセスメントの目的は、組織の強みや特徴を分析し、問題点の把握や改善によって、業績を向上させることです。
このアセスメントによって、組織にどのようなスキルや適性をもつ人材が多いのか把握できます。
組織アセスメントは、上述の人材アセスメントと組み合わせて用いることもできるため、多様な人事業務の場面で活用可能です。

組織アセスメントの効果

組織アセスメントは適切な人材配置やリーダーの選出、採用活動などに役立ちます。
また組織の課題を洗い出しも可能です。
得られた評価をもとに、部署・ポジションなどを効果的に決定できます。

組織が必要とする人材像が明確になると、採用場面で自社ニーズにマッチしたスキル、経験を持った人材が集まりやすくなる点も特徴的です。
査定基準も明確になるため、組織全体のモチベーションも上がりやすくなります。

アセスメントの基本プロセス

アセスメントはどのように進めればよいのでしょうか。以下で基本となるプロセスを解説します。

情報収集と分析

適切なアセスメントを実施するうえで、正確な情報は不可欠です。
特定の情報に偏ると、正しい評価ができません。
まずは周囲へのヒアリングや調査、適性検査ツールなどを用い、評価対象に関する網羅的・客観的な情報収集を行いましょう。

集める情報内容は業界やシーンによって異なりますが、状況や経緯などの関連情報は基本として押さえましょう。

分析から仮説を立てる

次は、得られた情報を分析します。
例えば人事場面でアセスメントを活用する場合、人事の現状について仮説を立てると、改善策の考案が可能です。
またすでに現場で何らかの問題が発生している場合は、その問題の原因に関する具体的な仮説を立てると、効率的に解決策を検討できます。

解決策を深める際には原因だけでなく、どのような要素が影響しているかについても深掘りしてみましょう。

計画の策定・実行

ある程度仮説が立ったら、その仮説に基づいて計画や施策を決定しましょう。
アセスメントをよりよいビジネスにつなげるには、着実な計画や施策の決行が不可欠です。
実行の際には、アセスメントで達成したいゴールをあらかじめ決めておくと、後で結果を評価しやすくなります。
さらにアセスメントを継続的に改善するようにすれば、より効果的です。

アセスメント導入の注意点

アセスメント導入では何に配慮すべきなのでしょうか。
以下では代表的な注意点を解説します。

施策を振り返り評価する

施策は1回実行して終わりではなく、実施後は振り返って内容を評価することが重要です。
計画によって目標達成できたかを数値化すると、客観的に実施内容を評価できます。

また、数値内容だけでなく、行った分析が正確だったかも重要なポイントです。
アセスメントは継続することで、新たな発見が得られます。
何度も繰り返し実施すると、企業の業績向上や従業員のモチベーションなどにつながるでしょう。

客観的な情報で評価する

効果的なアセスメントには、元となる情報の正確性が不可欠です。
収集した情報がそもそも偏っていたり主観的だったりして正しくないと、手順が正しかったとしても、正確な結果は得られません。
情報収集の段階で、分析対象や調査内容がアセスメントの目的とマッチしているか確認しましょう。

アセスメントの際には、集めた情報をすべて使おうとするのではなく、客観的で正確性の高い情報のみを、よく吟味したうえで使用することが大切です。

まとめ

アセスメントは採用や人事配置、人材登用などのビジネス場面で役立つ評価手法です。
メリットや効果を最大限に生かすには、正確で客観的なデータを収集し、適切な対象者に分析を進める必要があります。
質の高い情報収集や分析には専門的な知識が必要になるため、企業状況に合わせて外部への依頼も検討しましょう。

パーソルイノベーションが運営する「TECH PLAY BUSINESS」では、エンジニアやDX人材向けの組織設計やアセスメントについてもご相談を承っております。
ぜひお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人

TECH PLAY BUSINESS

パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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