エンジニア教育の重要性と課題とは?企業が教育を成功させるポイントを解説

人材育成 2023.07.07

こんにちは。「TECH PLAY Academy」ライターチームです。

エンジニアの教育に頭を抱える企業は多くあります。
即戦力となる優秀なエンジニアを採用できればよいのですが、人材不足などの影響から容易ではありません。
そのため、企業が自社を支えるエンジニアを確保するためには、新卒や未経験エンジニアの教育が必要とされています。

本記事では、エンジニア教育の重要性や課題、その解決策などについて解説します。

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日本のエンジニア教育の現状

エンジニア教育に注目が集まるのには、以下で紹介する、日本におけるエンジニア教育の現状が関係しています。

義務教育にプログラミング教育を導入

IT技術が進歩し、ITソリューションを活用する企業が増えていることから、日本でもエンジニアの需要は高まっていますがまだ人材は不足しています。

そこで、文部科学省は、慢性的なIT人材の不足を解消するために、2020年から小学校の必須科目としてプログラミングを追加しました。
プログラミングの義務教育への導入で、IT教育の推進を図り、日本の企業で活躍するエンジニアを増やす狙いがあります。

エンジニア教育の体制を整えられない企業が多い

昨今、日本の多くの企業では、慢性的なエンジニア不足によって、教育にリソースが割けずに教育体制を整えられないという課題を抱えています。

人材不足が原因で、採用後間もなく実務を任せるような状態になっているため、なかなか人材が定着しません。
教育体制が確立できないことで、人材が確保できず、エンジニア不足が解消されない悪循環となっています。

企業でのエンジニア教育が重要視される理由

ここからは、日本企業におけるエンジニア教育の現状も踏まえて、エンジニア教育が重要視されている理由を解説します。

経験のあるエンジニアの採用が困難

IT技術の需要が高まっている中、IT技術の知識やスキルを持つ人材が不足しているため、エンジニア経験者を採用したくても競争率が高くなります。
優秀で即戦力となるエンジニアは、多くの企業との取り合いになってしまいます。

優秀なエンジニアはSNS経由でのオファーや知人の紹介などで転職するケースが増えており、企業が出会える機会が減っているのも課題です。
経験のある優秀なエンジニア経験者の採用が困難であることから、自社で戦力となるエンジニアを教育する必要性が高まっています。

将来の企業を支えるエンジニアが必要

クラウド技術を取り入れる企業が増えているなど、今後もIT技術の活用シーンが増えていくことが予想されます。
そのため、多くの企業で中枢から支えてくれるエンジニアの存在が必要とされています。

自社でのエンジニア教育を強化することは、企業方針や価値観を理解したエンジニアの育成に効果的です。
エンゲージメントの高いエンジニアが育成できるようになれば、生産性の向上も期待できます。

自社でエンジニア教育をするメリットは?

エンジニア教育の重要性が高まっていることから、自社での教育体制を整える企業も増えています。
ここからは、自社でエンジニア教育をするメリットについて解説します。

自社業務に適性のあるエンジニアが育てられる

エンジニアに必要な知識や技術とともに、自社業務についても教育できるため、自社業務に適応できるエンジニアの育成が可能です。
自社業務の特性などを理解したうえで実務に入れるため、柔軟性が高く即戦力となるエンジニアになります。
社内で十分なエンジニア教育ができれば、企業に馴染んでもらいやすく、早期での活躍が期待できます。

人件費・採用コストの削減につながる

エンジニア不足による採用活動や外部エンジニアへの委託などには、多大なコストが必要です。
さらに、専門的な知識が必要な業務内容だとコストが増えていくため、企業の負担になります。

自社でエンジニア教育をしてエンジニアを確保できるようになれば、採用コストを抑え、外部委託も減らせるため、コスト削減につながります。

既存エンジニアの能力向上に寄与する

自社でのエンジニア教育は、担当する既存エンジニアの能力向上にもつながります。
経験の浅いエンジニアにもわかりやすく説明することや質問に答える、分からないことは調べるなど、教える側が成長する機会にもなり、自社エンジニアの能力の底上げにも寄与します。

エンジニア教育ノウハウを蓄積できる

自社でエンジニア教育をすれば、教育ノウハウの蓄積ができ、今後の教育体制の確立に役立ちます。
質の高い教育体制が確立できれば、優秀なエンジニアを安定して確保できるようにもなるでしょう。
自社に教育ノウハウがあれば、継続して優秀なエンジニアを確保しやすくなります。

スピード感を持ったPoC(概念実証)が可能になる

PoCとは、Proof of Conceptの略です。日本語では「概念実証」という意味です。
サービス・プロダクトにおける新しい概念やアイディアの実証を目的とし、開発前の検証を繰り返すことを指します。
自社のエンジニアを教育することで、アジャイル型のスピーディーなPoCを内製で実現することができるようになります。

企業が抱えるエンジニア教育の課題

自社でのエンジニア教育を伸ばしたいと考える企業は多いものの、なかなかうまくいかないのが現状です。
その理由として、以下のような課題が挙げられます。

他業種より定着率が低い

エンジニアは、他業種よりも企業への定着率が低いことが特徴です。
その理由には、少ないエンジニアに対して仕事量が多く、激務になりやすいことから離職しやすく、さらに、転職が不利にならないことがあります。

折角教育しても定着せずに辞めてしまい、手間や時間、コストが無駄になってしまうことが課題になっています。

若手と中堅エンジニアのギャップ

現代の若手エンジニアと中堅エンジニアの間で価値観のギャップがあります。
若手はSNSやメールでのやりとりに慣れているなど、中堅エンジニアと育った環境が異なり、コミュニケーションがうまく取れないという課題が生まれています。

勉強や業務に対する姿勢、価値観などにギャップがあることを理解して教育方法を考えることが必要です。

教育のための時間が取れない

エンジニアはそもそも業務が忙しく、新人教育をする時間が取れないケースが多くなっています。
教育を実施しても短期間になってしまったり、多忙で集中できなかったりするため、充分な知識や技術を教えられないのも課題です。
エンジニア教育のために無理をすると通常業務に支障をきたす恐れもあります。

教育に人手を割けない

エンジニアの人材不足は多くの企業で深刻化しているため、教育する人手も足りません。
エンジニアとしての専門的な知識や技術は、現場で活躍しているエンジニアが教育した方が効率的です。
しかし、人手が足りずに人事などが担当することで、十分な教育ができないケースもあります。

企業におけるエンジニア教育のポイント

課題も多い企業でのエンジニア教育ですが、効果的に実施するには何が必要なのでしょうか。

ここからは、エンジニア教育におけるポイントについて解説します。

教育対象のエンジニアとしっかり向き合う

新人エンジニアとしっかり向き合い、現状を把握することが大切です。
どんなスキルを持っていて、何が足りないのかを把握し、それぞれに合う教育方法を見極めます。

難易度が高すぎても低すぎてもモチベーションの低下につながるため、適度な教育レベルを知ることが必要です。

焦らず長期的な目線で実施する

エンジニア不足により、なるべく早く即戦力が欲しい企業は多いですが、教育を焦ってしまうとプレッシャーになり早期離職につながる恐れがあります。
そのため、長期的な目線で教育をすることが大事です。

それぞれのエンジニアの成長度合いに合わせて、中長期的な教育を実施し、将来的に企業を支えるエンジニアの育成を目指します。

報連相を徹底する

教育を一方的にするだけでなく、報連相を徹底し、教育されるエンジニアがアウトプットできる場を作ることも重要です。
報連相が習慣づけば、教育の進捗も把握しやすくなるほか、何かあったときでも相談しやすい環境をつくっておけます。実務に移った後も、報連相の習慣は役に立つでしょう。

実践できる場を設ける

身に付けた知識を実践で活かす場を設けるのもポイントです。
エンジニア教育で学んだ知識やスキルは、アウトプットによってさらに理解が深まります。

新人だからと言って、いつまでも実践を避けるのは成長が遅くなります。フォローできる体制を整えた状態で、少しずつ業務を任せてみるのもエンジニア教育の一環です。

教育する側のスキルを上げる

教育を担当するエンジニアの育成スキル向上は、エンジニア教育で大事なポイントです。
教育ノウハウがない状態で任せても、教育は上手くいきません。
エンジニア教育について学べる場を設けることで、効果的なエンジニア教育の実施ができるようになります。
教育担当者のスキルアップは、今後の教育体制の確立にも活かせます。

エンジニア教育をする企業が活用できる助成金

エンジニア教育を自社で実施したい企業は、厚生労働省が実施する「人材開発支援助成金」が活用できます。
人材開発支援助成金とは、条件を満たせば、人材育成などにかかる費用の一部を助成してもらえる制度です。
エンジニア教育に活用できる助成金のコースには、以下の5コースがあります。

  • 特定訓練コース:OJT研修など、効果が高いとされる訓練を10時間以上実施した場合に訓練の費用の一部が助成される
  • 一般訓練コース:20時間以上のOFF-TJ研修を実施し、定期的なキャリアコンサルティングを実施するなどの条件を満たすと費用の一部が助成される
  • 教育訓練休暇付与コース:有給教育訓練休暇制度または長期教育訓練休暇制度を活用して訓練を実施した場合に費用の一部が助成される
  • 特別育成訓練コース:有期契約労働者から正規雇用労働者への変更のために訓練をした場合に費用の一部が助成される
  • 人への投資促進コース:デジタル人材を育成する場合などの訓練で費用の一部が助成される

まとめ

今後エンジニアの必要性が高まることが予想されているため、多くの企業ではエンジニア教育の強化が急務となっています。
優秀なエンジニアの確保が困難な昨今では、いかに自社を支えるエンジニアを育てていくかがポイントです。
自社でエンジニア教育を実施する場合は、本記事で解説したポイントなどぜひ参考にしてください。

また、社内のエンジニア教育ノウハウが十分ではない企業には、人材育成のノウハウをもった専門家のサポートを受けることがおすすめです。
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この記事を書いた人

TECH PLAY BUSINESS

パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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