ITリテラシー教育の重要性が高まるなか、企業がやるべき施策とは?

人材育成 2023.09.13

こんにちは。「TECH PLAY Academy」ライターチームです。

ITリテラシーの重要性が高まるなか、企業においてITリテラシー教育が求められるようになっています。この記事では、ITリテラシー教育で実施すべき内容や具体的な進め方、注意点などを解説します。ITリテラシー教育と合わせて行うべきことにも触れているため、ITリテラシー教育の実施を検討している人は参考にしてください。

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ITリテラシーとは

ITリテラシーとは、情報技術を活用するために必要な能力のことです。ここでは、定義や重要性を解説します。

ITリテラシーの定義

ITは、「Information Technology」の頭文字をとった略語で、情報技術と訳される言葉です。リテラシーとは、特定の分野における知識やスキルを活用する能力を意味します。また、ビジネスシーンでは、「情報を正しく理解して適切に活用する」といった意味で用いられています。つまりITリテラシーとは、情報技術を使いこなすための能力といえるでしょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する官公庁では、ITリテラシーをどのように定義しているのでしょうか。たとえば、厚生労働省ではITリテラシーを以下のように定義しています。

“現在入手・利用可能な IT を使いこなして、企業・業務の生産性向上やビジネスチャンスの創出・拡大に結び付けるのに必要な土台となる能力のこと。”

厚生労働省の定義により、ITリテラシーを身につけると業務・企業全体の生産性の向上や新事業の創出、既存事業の拡大などにつなげられます。ITリテラシーはデバイスの操作方法を学ぶだけでなく、ITを駆使して企業の課題を解決したり、業務の効率化を図ったりするために役立てることを指しています。

※引用:平成 29 年度基礎的 IT リテラシーの習得カリキュラムに関する調査研究報告書|厚生労働省

ITリテラシーの重要性

近年、テレワークやオンライン会議の普及によってITツールの導入が推進され、IT技術を活用する企業が増えています。企業がIT技術を導入しても従業員のITリテラシーが低いと、生産性の低下やセキュリティに関するインシデントの発生につながります。

従業員のITリテラシーを高められれば、業務効率の向上や情報漏えいなどセキュリティの不祥事を防止できるでしょう。ほかには、DX推進をはじめとする社会の変化に伴い、今後もITリテラシーの必要性が拡大することが予測されています。

ITリテラシー教育が必要なサインとは?

ITリテラシー教育の必要性は企業のITリテラシーによって異なります。次の状況に該当する場合は自社の教育を見直しましょう。

1. DX推進を進めている

DX化を推進する企業では、従業員のITリテラシーを向上させ、DXリテラシーを身につけさせることが重要です。DXリテラシーとは、IT技術を活用してDX化に取り組むために必要な知識やマインドのことです。

ITリテラシーとDXリテラシーを高めることで、企業内でDX化の重要性を共通の認識とできるため、DXが推進しやすい社内体制を構築できるようになります。また、業務フローの見直しや改善が行うことで、無駄な業務を削減できるため業務の効率化が可能です。

さらに、新しいことにも積極的に挑戦できる企業文化が形成されれば、新規ビジネスの開拓につながります。

2. 従業員がITツールを使いこなせていない

リモートワークやWeb会議などを行う機会が多くなったことで、IT分野以外の業種でもITツールを使いこなす必要性が増しています。ITツールの使用時にトラブルが発生した場合、自力で解決できなければ無駄な時間が増えて業務が滞ってしまうでしょう。企業がITリテラシー教育を実施すれば、ITツールやシステムの操作方法を身につけさせることができます。

3. 従業員間のITスキルに差がある

従業員間にスキルの差がある場合はITリテラシー教育を実施し、全従業員のスキルを底上げしましょう。従業員の間にITスキルの差があると、業務効率の高い従業員がいる一方で業務を滞らせてしまう従業員が出てきて、企業全体の業務効率を向上させることが難しくなります。全従業員のITスキルをある程度一定にするためには、ITリテラシー教育が欠かせません。

4. 経営陣の知識更新が必要

ITリテラシーが低い企業はIT技術を活用する企業に比べて、社会の変化に合わせた事業戦略を立てにくい傾向があります。新しいことに挑戦する意欲が低いため、時代に合わせた働き方を取り入れたり、現場のニーズに応えたりすることが難しいでしょう。経営陣向けにITリテラシー教育を行えば、知識を更新できるだけでなく、継続的なブラッシュアップが可能です。

ITリテラシー教育の進め方

ITリテラシー教育を進める方法として、研修の実施や資格取得の推進、ITツールの導入が挙げられます。それぞれの方法を解説します。

ITリテラシーの研修実施

ITリテラシー教育の進め方の1つとして、研修があります。社内で研修内容や講師を決めるのも1つの方法ですが、外部の専門機関を活用することもおすすめです。外部の専門機関を活用すれば、ITリテラシーの専門的な研修を受けられます。研修内容を決めたり講師を厳選したりする手間も省けるため、社内の業務負担を減らせます。

それぞれのメリットについて以下で詳しく確認しておきましょう。

ITリテラシーの専門的な研修を受けられる

自社にITリテラシーに強い人材がいない場合、ITリテラシー専門の外部機関に依頼すれば専門家による研修を受けられます。最新技術や社会情勢の変化に対応した専門的な研修を受けられるため、企業全体のITリテラシーの底上げにつながります。

社内の業務負担を減らせる

外部の専門機関のITリテラシー研修を受ければ、研修に携わる従業員の業務負担を減らせます。自社で研修を行う場合は、カリキュラムの検討や講師の選定が必要です。外部の専門機関が提供している研修を利用すれば研修の準備は外部に依頼でき、企業は従業員を本業に集中させることができます。

パーソルイノベーションが運営する「TECH PLAY Academy」では、DXに関する自社の課題に合わせたオーダーメイドの研修を提供しています。ITリテラシーの向上など、DX推進をお考えの方はぜひサービスサイトを御覧ください。

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ITリテラシーの資格取得を推進する

ITリテラシーを身につけられる資格取得を社内で推進すれば、従業員のモチベーションの向上につながります。ITリテラシーを身につける場合に有効な資格の例は次のとおりです。

・ITパスポート

・情報セキュリティマネジメント試験

・基本情報技術者試験

・MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格)

・Google Cloud 認定資格

ITリテラシーの資格取得を推進する場合、受験費用の負担や資格手当の支給などの方法があります。

社内のITツール導入

ITツールを導入することで、社内のITリテラシーの向上につながります。ITツールを利用する頻度が増えれば、業務でITツールを活用していくなかで従業員のITリテラシーが養われます。従業員がITツールを使いこなせるようになれば、業務効率を高めることも可能です。

ITリテラシー教育の注意点

ITリテラシー教育は、次に挙げる注意点に気をつけて実施しましょう。主な注意点を解説します。

1. 従業員の自主性を大切にする

ITリテラシー教育を成功させるためには、従業員の自主性を尊重する必要があります。企業から一方的に教育を実施しても、従業員のモチベーションが低ければ、必要な知識やスキルは身につかないでしょう。従業員のモチベーションを高めるための施策を行うなら、IT技術を用いた課題を提示し、従業員が解決策を導き出すような教育を心がけましょう。

2. 中長期的な視点を持つ

ITリテラシー教育を実施する場合、中長期的な視点が欠かせません。ITリテラシーは専門性が高く、従業員に必要なスキルや知識を身につけさせるためには時間がかかります。座学を1度行っただけでは、ITリテラシーを身につけることは難しいでしょう。ITリテラシーを習得させるためには中長期的な視点を持ち、座学に加えて繰り返し実践できる環境を整備しましょう。

3. 世代間の違いを理解する

従業員の世代の違いを理解したうえで、ITリテラシー教育を進める必要があります。幼少期からインターネットに触れる機会が多い若い世代と、若い頃にインターネットが身近になかった世代では、インターネットやITに対する感覚が異なります。ITリテラシー教育を成功させるなら、世代ごとの感覚の違いを認識して教育プログラムを作成しましょう。

ITリテラシー教育と合わせて行うべきこと

ITリテラシー教育と合わせて実施すると、ITリテラシーを強化できます。具体的な方法を解説します。

1. 従業員の基礎IT知識の強化

インターネットやITに関する基礎知識がない従業員がいる場合は、基礎的なIT知識を身につけさせておくことが大切です。基礎的なIT知識とは、インターネットやパソコン、スマートフォンの仕組みなどが挙げられます。基礎知識があれば、一定の水準の知識があることを前提にした教育プログラムを作成できるため、従業員はITリテラシーを獲得しやすくなります。

2. セキュリティリスクの知識を高める

ITリテラシー教育と合わせてセキュリティリスクの知識を学ばせることで、トラブルが発生するリスクを軽減できます。従業員がセキュリティリスクを理解していない場合、SNSで投稿した内容が原因で企業の社会的な信用が失われる恐れがあります。SNSをはじめとするトラブルの発生を防ぐためには、SNSの運用時の注意点を周知しておきましょう。

まとめ

ITリテラシー教育を実施することで、DXの推進や経営陣、従業員のITリテラシーの向上を目指せます。自社にITリテラシーに強い人材がいない場合は社内研修の実施が難しくなるため、外部の専門機関を利用も検討するとよいでしょう。

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この記事を書いた人

TECH PLAY BUSINESS

パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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