ITリテラシーの重要性とは?企業におけるリテラシーの高め方やDXでの課題も解説

人材育成 2023.11.28

こんにちは。「TECH PLAY ACADEMY」ライターチームです。

多くの企業で、ITと業務は密接な関係にあります。社内のITリテラシーが不十分であれば、大きなトラブルを招きかねません。

この記事では、ITリテラシーの重要性・高め方・メリットなどを解説します。DX推進企業が知っておくべきITリテラシーの課題についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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ITリテラシーとは

ITリテラシーとは、通信・ネットワーク・セキュリティなどITに紐づく要素を理解する能力や、操作するスキルを意味します。ITは情報技術(Information Technology)の略称で、ITリテラシーはデジタルリテラシーと呼ばれることもあります。

多くの企業が、ITを活用した事業戦略によってビジネスを成長させているため、従業員1人ひとりがITリテラシーを正しく身につけることが大切です。単純なパソコンの操作やアプリケーションの操作も広義ではITリテラシーに含まれます。とはいえ、ITを活用した業務の効率化や課題解決こそ、企業が目指すべき姿です。

一般的には、デジタルネイティブ世代である若手社員のITリテラシーは高いと考えられがちですが、必ずしも十分なスキルを有しているとは限りません。ITリテラシーの欠如は、日々の業務に支障が出るだけでなく、セキュリティやコンプライアンスに関する重大なトラブルにつながるリスクもあります。トラブルを未然に防ぐためにも、早い段階で従業員教育を実施し、ITリテラシーを高めることが重要です。

ITリテラシーの3つ要素

リテラシー(literacy)とは、読解記述力を意味する単語です。ここでは、ITリテラシーを構成する要素として「情報基礎」「コンピュータ」「ネットワーク」の3つを解説します。

情報基礎リテラシー

情報基礎リテラシーとは、情報を正しく使うための能力です。情報を正しく使うためには「探し出すスキル」と「精査するスキル」も欠かせません。現代社会は、Webの急速な発展により、膨大な情報が入手できるようになりました。

しかし、求める情報をスピーディーに探し出し、正しい情報かどうかを適切に判断する能力が必要不可欠です。情報基礎リテラシーが備わっていることで、円滑な業務の遂行が期待できます。

コンピュータリテラシー

コンピュータリテラシーとは、パソコン操作に関する技術や知識です。パソコン以外にも、スマートフォンやタブレットなどのデバイス操作もコンピュータリテラシーに含まれます。パソコンをはじめとするデバイス操作を行わない企業はほとんどないため、キーボードやマウスの操作方法は必須です。

また、Word、Excel、PowerPointといったOfficeツールを使用する能力は、採用時の大きな指標となります。ITに特化した企業では、プログラミング言語を読み書きする能力を最低水準として設定しているケースもあります。

ネットワークリテラシー

ネットワークリテラシーとは、技術的な側面からセキュリティやネットワークなどの知識を理解する能力です。インターネットリテラシーと呼ばれることもあり「インターネットの正しい使い方やモラルが身についているか」といった意味も含まれます。

ネットワークリテラシーは、企業のリスクマネジメントに欠かせない要素の1つです。1人の従業員がセキュリティ事故を起こすだけで、企業全体の信頼を損なう可能性もあるため、セキュリティ対策は最優先で取り組む必要があります。

ITリテラシーの重要性と危険性

企業が発展していくためには、ITリテラシーの重要性と危険性を従業員が正しく理解する必要があります。また、新しい技術やツールが続々と生まれている現代においては、情報を日々アップデートしていくことも重要です。

ITリテラシーの重要性

デジタル社会がさらに進むと、オフラインのない時代である「アフターデジタル社会」に突入するといわれています。アフターデジタル社会は、オフラインがデジタル世界に包含された世界を指しており、アフターデジタルの環境下でITリテラシーの低いままでいることは大きなリスクにつながります。

実際に、オンラインとオフラインを融合させたサービスは着実に広がっており、企業は新しいツールの導入や、セキュリティ対策の見直しを行っています。さまざまな面で不利益を被ったり周囲へ悪影響を及ぼしたりしないよう、従業員に対してもITリテラシーをより一層高めることが重要です。

ITリテラシーが低い場合の危険性

ITリテラシーが低いと、さまざまなトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。企業の事例としては、サイバー攻撃や個人のSNSなどを通じての情報漏洩などが挙げられます。ITリテラシーが身についていないと、得られる情報に格差が生じるだけでなく、正しい管理や発信ができません。

「インターネット上の情報が常に正しいわけではないことを理解する」「得られた情報を適切なかたちで顧客に届ける」など、意識を少し変えるだけでもトラブルのリスクは軽減できます。

ITリテラシーを高める方法

ここからは、ITリテラシーを高める方法について解説します。複数の施策を同時に行うことで、相乗効果も期待できます。

ITリテラシーの欠如が生むリスクの周知

まずは、ITリテラシーの重要性について従業員の理解を深めましょう。「自分の業務ではITリテラシーは関係ない」と考えている従業員は少なくないため、日々の仕事のなかでも獲得できる部分があることを示します。

また、ITリテラシーが低いことによるリスクを認識してもらうことも重要です。同業他社でのSNSトラブル、自社でのヒヤリハット事例など、ITリテラシーの欠如が生むリスクを身近なものに感じてもらえるよう周知していきます。

ITリテラシー研修をおこなう

特に重要な部分は、ITリテラシー研修を行い、従業員全体に習得を促します。日常生活の中で習得できるスキルには限界があるため、最終的には企業が責任をもってITリテラシーを高めていかなければなりません。

セミナー形式の研修以外にも、eラーニングを活用したオンライン研修、チーム単位でのディスカッション研修といった方法もあります。専門的な部分は外部に研修を依頼するのも効果的です。

ITツールや情報に積極的に触れさせる

知識だけでは、実践的なITリテラシーは身につきません。従業員が最新のITツールや情報に触れられるよう取り組む必要があります。たとえば「自社独自のITツール活用マニュアルを作成する」「毎週1回全従業員宛てにITのトレンド情報を発信する」など、企業は積極的にITツール・情報に触れられる仕組みをつくります。

ITリテラシーは、実際にツールに触れたり情報の取捨選択を行ったりすることで、少しずつ高められていきます。

ITリテラシーを高めることによるメリット

ITリテラシーを高めることは、企業にとっても従業員にとっても大きなメリットがあります。ここからは、具体的なメリットについて解説します。

情報資産が守られる

ITリテラシーを高めることで、情報漏洩のリスクを軽減できます。機密情報の流出は、企業にとって大切な情報資産を失うだけでなく、信用の失墜にもつながります。メールの誤送信、マルウェアの感染といったセキュリティインシデントの発生を防ぎ、情報資産を守るためにも、ITリテラシーの向上は欠かせません。

よい商品やサービスづくりができる

情報の活用に関する知識が深まると、市場動向や顧客ニーズを把握しやすくなり、新たな商品開発やサービス改善に役立てることができます。反対にITリテラシーが低いと、競合他社との差が生じる原因になります。

ユーザーに優れた商品やサービスを提供するためにも、ITリテラシーは必要です。また、自社のセキュリティ対策について広く公表している企業は安心感があるため、新規ユーザーやリピーターの獲得も期待できます。

生産性・効率性が向上する

ITリテラシーを向上させることで、特定のデバイスだけでなく、さまざまなITツールが使いこなせるようになります。ITツールを活用することで時間のかかっていた作業が効率化できるため、従業員の負担軽減も実現可能です。ITリテラシーの高い従業員が増えれば、会社全体としての生産性向上が見込めます。

DX推進企業におけるITリテラシー教育の課題

独立行政法人 情報処理推進機構の調査によれば、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性を強く認識しているとともに、推進に課題を感じています。なかでも、DX推進人材の不足は深刻で、社内で人材を育成できる企業は決して多くありません。

ITリテラシー教育をすべて外部に委託することもできますが、会社全体でDXを推進していくためには、各部門に専門スキルを持ったキーパーソンがいるとスムーズです。企業は、従業員1人ひとりのITリテラシーを底上げするだけでなく、DX専門組織を設置するなど、専門人材の育成にも力を入れる必要があります。

参照:【独立行政法人 情報処理推進機構】デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査

まとめ

急速に変化を続けるデジタル社会において、ITリテラシーの欠如は大きなリスクとなります。企業は研修を行ったり、ITツールに触れる機会を増やしたりすることで、従業員のITリテラシーを高めていかなければなりません。

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この記事を書いた人

TECH PLAY BUSINESS

パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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