エンジニア採用に苦戦する原因と理由|起こりがちなパターンや解決策も紹介

人材採用 2023.12.11

こんにちは。「TECH PLAY Branding」ライターチームです。

エンジニアを確保したいものの、思うように採用活動が進まず苦戦する企業は少なくありません。企業がエンジニア採用に苦戦するのは、さまざまな理由や原因があります。この記事では、企業がエンジニア採用に苦戦する理由や原因、具体的な解決策などを解説します。失敗・成功それぞれのパターンも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

企業がエンジニア採用に苦戦する理由

エンジニア採用に苦戦するのは、いくつかの理由があります。それぞれの理由を解説します。

IT人材が不足している

企業がエンジニア採用に苦戦する理由は、国内のIT人材が慢性的に不足しているためです。経済産業省のデータによると、2020年は約37万人のIT人材が不足していることがわかります。さらに、2030年には約79万人にまで拡大するとされています。これらのデータから、IT人材の不足は企業にとって深刻な課題になることが予測できます。

※参考:IT分野について|経済産業省

IT人材の流動性が低下している

転職市場でIT人材の流動性が低下していることも、エンジニア採用に苦戦する理由の1つです。エンジニアが不満に感じている労働環境や待遇を改善することで、既存のIT人材が外部に流出しないように、積極的な取り組みを行う企業が増えています。そのため、高いスキルや豊富な実績を持つ優れた人材が、転職市場に出てくる機会は少ないと言えます。

エンジニアの有効求人倍率が上昇している

厚生労働省のデータによると、2022年12月時点の有効求人倍率は次のとおりです。

・職業計1.31倍

・情報処理・通信技術者1.62倍

・開発技術者1.97倍

※参考:一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について|厚生労働省

同じく厚生労働省のデータによると、2021年12月時点の有効求人倍率は次のとおりです。

・職業計1.14倍

・情報処理・通信技術者1.46倍

・開発技術者1.66倍

前年度に比べて、エンジニアの有効求人倍率が上昇傾向にあります。

※参考:一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)について|厚生労働省

また、パーソルキャリアの調査データによると、
2022年12月時点の全体の求人倍率は2.54倍に対し、エンジニア(IT・通信)はなんと12.09倍となっています。
エンジニアの需要の高さと希少性が実際の有効求人倍率にも現れていると言えるでしょう。

※参考:転職求人倍率レポート(2022年12月)|パーソルキャリア

企業とエンジニア間で求める像にギャップがある

転職市場はエンジニアの慢性的な不足によって、売り手市場になっています。優秀なエンジニアはレベルが高い待遇を求める傾向があります。優秀なエンジニアを採用したくても、エンジニアの希望を叶えられない企業は見送らざるを得ません。

フリーランスや大手企業を志望するエンジニアが多い傾向にある

働き方が多様化していることも、エンジニア採用が苦戦する理由の1つです。独立してフリーランスになるエンジニアも増えています。例えば、社内システムエンジニアの志望者は、労働環境や待遇のよい大手企業に集まりやすい傾向にあります。

エンジニアの採用手法が多様化している

オンラインによる採用チャネルを活用できないために、エンジニア採用に苦戦する企業も珍しくありません。従来は求人メディアや人材紹介が主流でしたが、近年は直接アプローチするダイレクトリクルーティングや、自社メディアを活用する採用広報、従業員の知人を紹介してもらうリファラル採用など、多くの採用手法が利用されています。

スキルや能力の見極めが難しい

採用担当者がエンジニア出身でない人が抜擢されることも少なくありません。知識や経験がないため、エンジニアに必要なスキルを見極められない場合が多くあります。人事部門と開発部門の意見のすり合わせが難しいことも、エンジニア採用で苦戦する理由です。

企業がエンジニア採用で苦戦する原因

エンジニア採用で苦戦する企業における原因にどのようなものがあるのか、以下で解説します。

応募者が集まらない

エンジニア採用で苦戦する原因は、エンジニア志望者が集まらないためです。具体的には、採用市況を踏まえた採用基準を設定していない、エンジニア志望者に自社の魅力や入社によって得られるメリットのアピールが不十分であることが挙げられます。また、採用チャネルが少なく、エンジニアとの接点がないことも理由の1つです。

選考の通過率が低い

応募書類に記載されたスキルだけで合否を判断すると面接の通過率が低くなり、エンジニア採用で苦戦しやすくなります。書類選考で応募者を絞り込みすぎたために、採用の可能性があるエンジニアが面接を受けられず、適切に評価されない場合があります。

内定辞退者が多い

企業がエンジニア採用で苦戦する原因として、内定の通知後に辞退する人が多いことも挙げられます。内定後のフォローアップが不足していたり、内定者の志向性に合わせた動機付けができていなかったりすると、内定者は入社に不安を感じて他社の内定を受けてしまうことがあります。

エンジニア採用で苦戦する企業に起こりがちな失敗パターン

エンジニア採用で苦戦する企業に共通している失敗のパターンを紹介します。

入社後にミスマッチが発生する

失敗パターンとして、採用担当者がエンジニアに必要なスキルを理解していないために、現場が求める人材が採用されない場合が挙げられます。また、組織風土や職場環境などの情報の開示が少ないことで、ミスマッチが発生するケースも多く見られます。

母集団を形成できていない

母集団とは、採用候補者の集団のことです。

前述したように、いまやエンジニアの有効求人倍率は10倍を超えています。そのような市場環境では、転職ニーズが発生した時点でアプローチしてもすでにリーチできないという状況も考えられるでしょう。
多数のエンジニアを採用する必要があっても、応募者が集まらない、認知してもらえていないなどが原因で、母集団を形成できず採用に苦戦している企業も少なくありません。

エンジニア採用の成功パターンとは

エンジニア採用で成功している企業に共通する成功パターンの例を紹介します。

書類選考と面接で内定者を決めている

エンジニア採用に成功する企業は、応募書類の内容だけで合否を判断せずに、書類選考と面接の両方を実施して内定者を決定しています。同時に、職場の雰囲気や組織風土をイメージできる情報を提供して、内定辞退の防止に努めています。また、応募者の都合を優先し、面接日程を調整するなどして接触機会を逃しません。

選考プロセスごとの意識改革を行っている

エンジニア採用に成功する企業では、スキルや学歴、転職回数だけでなく、人柄も考慮した選考基準を設定しています。また、応募者の入社意欲を向上させる目的で経歴の似た従業員と面談する機会を設け、それぞれに合った動機付けを行っています。

エンジニア採用に苦戦する企業と成功する企業の特徴

エンジニア採用に苦戦する企業と成功する企業は何が違うのか、それぞれの特徴を解説します。

エンジニア採用で苦戦する企業の特徴

エンジニア採用に苦戦しやすい企業は採用ターゲットの幅が狭く、応募者の志向性に合わせた動機付け面接ができていないという特徴があります。選考期間が長く内定後のフォローアップが不十分なため、内定辞退者が多くなりがちです。

また、有効求人倍率が10倍を超える獲得競争の中、転職ニーズが発生してからのアプローチのみを実施している場合も、採用活動に苦戦している傾向にあります。

エンジニア採用を成功させる企業の特徴

エンジニア採用に成功する企業は、スキルを最優先にした選考基準を設けているため、幅広い年齢層の応募者が集まります。エンジニアが企業に求めることを理解しており、合否は直接会ってから判断しています。応募者に合わせた動機付けを行い、内定辞退を未然に防ぐ努力も怠っていません。

さらに、複数の採用チャネルを活用して転職潜在層へのアプローチも行っています。

また、現場のエンジニアも採用活動に巻き込むことで、ミスマッチを防いでいます。

こういった企業はDX推進が進んでいる場合も多いと言えます。経営層がエンジニア採用の取り組みに理解を示し、人事・現場と連携した採用活動に取り組めているケースも多く見られます。

経営層・現場を巻き込んだ採用活動の重要性については、下記記事にくわしく記載しています。

参考:エンジニアが採用できないのは誰のせい?採用を変えるのは経営か、現場か、人事か

エンジニア採用で苦戦する企業がすべき解決策

エンジニアを採用するために、企業がこれからすべき解決策を解説します。

自社で求める人物像を明確にする

自社で求める人物像が定まっていれば、採用ターゲットを絞り込みやすくなります。採用ターゲットが定まると応募者に訴求すべき内容も明確にできます。採用ターゲットをもとに採用条件を見直しましょう。

採用チャネルを増やす

複数の採用チャネルで採用活動を行うと、エンジニアとの接点を増やせます。応募者が集まれば母集団を形成でき、自社が求めるエンジニアを採用しやすくなります。

例えば、下記のような施策が考えられます。

契約するエージェントの数を増やす

・スカウト媒体を増やす

リファラル採用や広告の活用を新たに開始する

など、さまざまなチャネルを利用しエンジニアとの接点を増やし、カバーできる範囲を広げることがおすすめです。

現場の声を取り入れた選考戦略を立案する

選考戦略を立案する際は、現場のエンジニアを参加させましょう。求人票の確認や応募者との従業員面談に立ち会うなど、現場の目線を選考に反映できればミスマッチを防止できます。

選考プロセスをスピーディーに進める

選考期間が長いと応募者が離脱するリスクが高まるため、スピーディーに進められる選考スケジュールを立てる必要があります。書類選考と面接の担当者には、リードタイムの長さが応募者の離脱の防止につながる重要性を理解してもらいましょう。

採用後も手厚いフォローをする

内定から入社までの期間に密なコミュニケーションを取ることで、内定辞退のリスクを減らせます。例えば、現場のエンジニアとの交流会を開催したり、メンター制度を設けて入社後のサポートを手厚くしたりするとよいでしょう。

母集団形成を行う

母集団形成とは、エンジニアを採用するプロセスの中で、自社に応募してくれる候補者を増やす為に、興味をもっている状態の候補者と接点を持ち続けタレントプールを増やす、潜在層へのアプローチの取り組みです。下記の図で言うと、採用プロセスとして応募をしてもらう「リクルーティング」の前段階で「ブランディング」と呼ばれるフェーズの取り組みを指します。

母集団形成の詳細は下記ページも参照してください。

参考:エンジニア採用の母集団形成に取り組む4つのステップ

エンジニア採用で苦戦した場合におすすめの方法

上記の解決策を実施してもエンジニア採用で苦戦が続く場合は、次の方法を試してみてください。

フリーランスや未経験者も視野に入れた採用活動を行う

応募者が集まらない場合は、フリーランスやエンジニア未経験者を含め、採用ターゲットの幅を広げましょう。フリーランスは高度な専門性と実績がある人材が多くいます。スキルアップ制度を導入してエンジニア未経験者を採用し、人材育成を行うのも1つの方法です。

母集団形成のための潜在層へのアプローチも行う

転職顕在層と合わせて、潜在層を狙ったアプローチを実施することで母集団を形成しやすくなります。潜在層へのアプローチ方法として、採用マーケティングと採用ブランディングが有効です。採用マーケティングとは、候補者が求める労働環境を整備するための取り組みです。採用ブランディングをベースに実施されます。

採用ブランディングは自社を深く理解してもらい、候補者の入社意欲を高めてもらうための活動で、企業イメージや認知度のアップが期待できます。採用ブランディングサービスを利用することで、効率的に取り組みを進められるでしょう。

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まとめ

企業がエンジニア採用に苦戦するのは、応募者が集まらなかったり選考の通過率が低かったりするなど、さまざまな原因があります。エンジニア採用に苦戦している場合は採用ターゲットの幅を広げ、母集団形成のために採用ブランディングを行うことが重要です。

エンジニア採用にお困りでしたら、ぜひTECH PLAYへご相談ください。TECH業界の人材課題に精通したメンバーが貴社の課題を解決するご支援をいたします。

この記事を書いた人

TECH PLAY BUSINESS

パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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