【人事担当者向け】エンジニアの採用市場は?有効求人倍率や採用のコツを解説
こんにちは。「TECH PLAY Branding」ライターチームです。
エンジニアの採用市場が激化するなか、質の高いエンジニアの確保はますます困難になってきています。
企業は今後、どのように採用活動を進めていけばよいのでしょうか。
この記事では、国内におけるエンジニアの採用市場について解説しています。
競争が激しいエンジニアの採用市場で、人材を確保するコツもあわせて、ぜひ役立ててください。
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目次
まずは国内の採用市場状況を確認
国内の採用市場はどのような状況なのでしょうか。
まず、国内における採用市場の現状を解説します。
求人、求職及び求人倍率の推移
国内の有効求人倍率は、2019年後半にかけて安定して高い倍率を維持してきました。
しかし、2020年4月から5月にかけて拡大したコロナ禍の影響により、採用を停止した企業も多く、転職市場全体での倍率は大幅に下がりました。
その後、業種によっては採用が再開され、2021年にはゆるやかに倍率の上昇が続いています。
有効求人倍率は職業によって差が出ている
国内の有効求人倍率は、職業によって大きな差があります。
例えば、2023年5月の段階で製造技術や美術などは、低い有効求人倍率となっており、転職者にとって厳しい状況とわかります。
一方、建築・土木、医療・福祉関係の倍率は高く、求職者にとって転職しやすい状況です。
エンジニアを含む情報処理・通信技術者も、比較的売り手市場となっています。
エンジニアの採用市場・求人倍率
IT・通信におけるエンジニアの求人倍率は、継続的に上昇傾向にあります。
一時はコロナ禍の影響で採用側が慎重な姿勢を見せ、5倍を切ることもありましたが、2022年12月では12倍も超えており直近の2~3年の間で求人倍率は倍以上に上がってきております。
今後もエンジニア不足は続くと予想されており、特に実務経験者の採用はますます売り手市場になるでしょう。
エンジニア採用が難しいとされる理由とは
なぜ採用側にとって、エンジニア採用は難しいといわれているのでしょうか。
主な理由を解説します。
エンジニアの人数が少ない
ITエンジニアの母数がそもそも少ないことは、エンジニア採用が難しい理由の一つです。
日本経済省による「IT人材需要に関する調査」では、国内におけるIT人材不足は2018年の段階で22万人におよぶと指摘されています。
2025年には最大58.4万人、2030年には最大78.7万人と、今後ますますIT人材不足の問題は深刻になっていくと予想されています。
採用競合が多い
国内のエンジニアの人数は少ない一方で、企業側のエンジニアへのニーズは高い状況となっています。
エンジニアの需要が供給を大きく上回る形となっており、1名のエンジニアを採用するにしても、企業は多くの競合他社と競わなければなりません。
特に採用競合の多い経験豊富なエンジニアは、企業側からの需要が高く、採用は困難です。
さらに、AIやデータサイエンス、ブロックチェー、アジャイル開発などに従事している最先端人材は、そもそも転職を実際にする人数10%に満たないとも言われています。
積極的に転職活動を行う潜在層の割合も低い傾向にあります。
ミスマッチ
企業によって、エンジニアに求めるスキルは異なります。
IT業界は新しい開発環境やツール、フレームワークなどの出現がめまぐるしく、技術そのものも進化し続けています。
激しい変化のなか、エンジニアがどのような技術やスキルをもっているか、採用側が正確に人材を見極めることは困難です。
人事評価やエンジニアに求めるスキルのズレなど、企業側が採用市場を十分に理解できていないことで、採用のミスマッチを引き起こしている場合があります。
【企業向け】激化する採用市場でエンジニアを確保するコツ
強い売り手市場が続くなか、企業は優秀なエンジニアをどうすれば確保できるのでしょうか。
人材採用のコツを解説します。
自社の求人条件・案内を見直す
エンジニアを募集しても、求職者からの応募が少ない場合は、求人条件と求人案内の見直しが必要です。
例えば、自社の求人条件や案内における、以下の項目から見直します。
- 業務内容
- 求めるスキル
- 待遇
- 必須条件と歓迎条件 など
求人案内の内容がわかりにくいと、応募者数が減ります。
人事部だけでなく、エンジニアが在籍する部署の意見も聞きながら、求人情報が厳しすぎないか、案内がわかりにくくないかなど確認しましょう。
現場の従業員にも協力してもらう
エンジニア採用は専門性が必要なため、自社ですでに働いているエンジニアに協力を仰ぐ必要があります。
エンジニアの分野に疎い従業員だけで採用活動を行うと、候補者のスキルや適性を正確に判断できず、自社にマッチしない人材を雇用する可能性があります。
スキルチェックや従業員面談、求人票の内容確認などの際には、現場のエンジニアに参加してもらいながら、採用活動を進めてきましょう。
求職者のニーズを把握する
エンジニアが、「求人案内に応募したい」と思ってもらえる内容になっているかは、エンジニアがどのような企業に入りたいか、把握することで明らかになります。
- 企業のもつビジネスモデルや技術、将来性
- 公正で公平な評価
- 多様性や柔軟性を認める企業文化
- エンジニアとしてスキルアップできるチャンス
これらの項目は、エンジニアが企業選びで重視することが多い項目です。
社内のエンジニアに、どのような企業に魅力を感じるか、聞いてみるのもいいでしょう。
採用期間を短縮する
選考にかかるリードタイムが長いと、日数が経つにつれて候補者の応募企業に対する意欲が下がり、候補者の内定承諾率が低くなる可能性があります。
また、採用期間中に他社が選考を進めた場合、他社への志望度が高まるかもしれません。
候補者の内定承諾率を上げるには、当日または翌日までには選考結果を連絡するようにし、面談は候補者の希望日にできるだけ合わせるなど、工夫が必要です。
選考にかかるリードタイムの短縮は、面接選考菅や面接担当者と協力して行いましょう。
採用広報を強化し、転職顕在層・潜在層へ認知を拡大する
先述したように、エンジニア採用状況は強い売り手市場なため、顕在層だけへのアプローチだけでは採用は困難です。
エンジニアの求人を出しても、応募が来ない、面接までたどり着けない、という企業側の課題を解決するには、中長期を見据えて採用広報に取り組むことが重要です。
自社への応募者を増やすために、自社や自社の採用に興味関心を持てていない層を惹きつけることがポイントです。
特にエンジニアはエンジニア組織の具体的な取り組みや文化などへの興味関心が強いため、求人情報以外に社員インタビューや技術ブログ、技術勉強会などエンジニア向けのコンテンツを用意するケースが増えてきています。
求職者のポテンシャルに目を向ける
先述のとおり、国内のエンジニアは母数がそもそも少ないため、経験やスキルに長けたエンジニアだけに絞ると、さらに採用が困難になります。
現状は経験不足であっても、ポテンシャルのある求職者にも、門戸を広げることが重要です。
経験やスキル以外に関して、エンジニアのポテンシャルを判断する際には、以下の項目をチェックしましょう。
- 前向きな姿勢
- スキルアップの意欲
- コミュニケーションスキル
- プレゼンテーションスキル など
幅広い項目を評価対象に入れることで、自社で活躍する可能性のあるエンジニアを採用しやすくなります。
採用方法の見直しもおすすめ
採用難が続く場合は、採用方法の見直しも有効です。
具体的には、以下の点を見直してみましょう。
エージェント
エージェントへの依頼は、即戦力となる人材の雇用や採用後のミスマッチを防止するなどのメリットがあり、自社の希望にあったエンジニアを迅速に採用できる可能性が高い方法です。
しかし、エージェントへの依頼は、コストがかるほか、エージェントによってはエンジニアの登録数が少ないため、媒体を選ばなければならない点がデメリットです。
自社の予算や口コミ、評判なども確認したうえで、最適なエージェントを選びましょう。
リファラル採用
リファラル採用とは、自社の従業員に知人や友人を紹介してもらう方法です。
従業員紹介による採用なため、採用にかかるコストを抑えられます。また、エージェントに登録していない人材にも、幅広くアプローチできるため、自社が求めるスキルや社風にマッチした人材が見つかりやすく、ミスマッチの可能性が低くなる点がメリットです。
一方でリファラル採用のデメリットは、紹介者の境遇に対して不満が出た場合、トラブルにつながる可能性がある点です。一定の条件やルールを設けたうえで、採用する必要があります。
SNS採用
近年、SNSを活用して行われる採用活動が積極的に行われています。
SNSを利用した採用活動のメリットは、工夫次第でユーザーが求人情報を拡散してくれる可能性があり、採用にかかるコストを抑えられる点です。
また、SNSならではの即効性を活かせれば、スピーディーな採用を実現しやすくなります。
一方、デメリットは応募者の選定に手間がかかる点です。
SNSは気軽に人材を集められる分、採用要件にマッチしない人材が集まる可能性もあるため、本当に即戦力になるか、候補者のスキルを自社で判断する必要があります。
副業・業務委託活用
企業がインターネット上で不特定多数に、業務を発注する業務形態です。
正社員雇用と比べると、面接や契約に関する専門的な業務の手間がかかりません。
応募があれば、業務開始まで短期間で処理できます。
一方でデメリットは、期日や業務内容を区切って人材を募集するため、長期採用が難しい点です。
また先述のSNSと同様に、候補者のスキルに差がある可能性にも、注意が必要になります。
採用広報(採用マーケティング、採用ブランディング)
求人案件の情報だけでは、職場の雰囲気や働き方などが、なかなか伝わりません。
しかし採用広報をとおして、企業の職場風景や現場社員の生の声などを、能動的に発信できれば、企業が求職者に自社を就職先として検討してもらい、応募や採用につなげられます。
また、即効性のある手法ではないため、結果が出るまでに時間がかかる点に留意し、中長期的な視点で活動に取り組む必要があります。
まとめ
エンジニアの採用市場は強い売り手市場です。
今後もこの傾向は続くと予想されており、激化する採用市場で企業がエンジニアを確保するには、今回紹介したようなポイントを押さえることが重要です。
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この記事を書いた人
TECH PLAY BUSINESS
パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点
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