エンジニア不足の背景や現状とは?今後の展望や国の取り組み、企業の対策などを解説

人材採用 2023.08.08

こんにちは。「TECH PLAY Branding」ライターチームです。

エンジニア不足が深刻化しているといわれています。
実際にどのぐらいエンジニアは不足しているのか、その対策について悩んでいる企業も多いでしょう。
この記事では、エンジニア不足の現状や背景、国や企業の取り組みについて解説します。
エンジニア不足への対策を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

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エンジニアが不足している現状とは

エンジニアが不足しているといわれています。
企業とエンジニアを取り巻く現状はどうなっているのでしょうか。

エンジニア不足は深刻な状況となっている

実際に、エンジニア不足は深刻化しています。
経済産業省が委託して行った「「IT人材需給に関する調査」の結果によると、2018年時点でのエンジニア不足は22万人と報告されています。
このように、エンジニアのニーズに対して供給が大幅に不足しているという現状があり、エンジニアの育成が急務です。

※参考:IT 人材需給に関する調査|みずほ情報総研株式会社

将来はさらに不足すると予想されている

エンジニアは現状でも大幅に不足していますが、同調査によるとエンジニア不足は将来的にますます深刻化すると考えられています。
2030年には45万人ものエンジニアが不足すると予想されており、現状の2倍以上不足するという予測もあります。
IT需要は今後も増加すると考えられており、エンジニアの需要と供給のギャップを埋めることは困難です。

特に先端的な分野で不足している

エンジニアは大きく分けて「従来型IT人材」と「先端IT人材」に分けられます。
このなかで特にエンジニア不足が深刻化している人材が、AIやビッグデータ、フルスタック、アプリケーション、インフラの分野に関わる先端IT人材です。
先端的な分野では優れたスキルが必要となり、今後さらにエンジニア不足が加速していくと予想されます。

マネジメントを行う職種で需要が増えている

データサイエンティストやプロダクトマネージャーなど、マネジメントに関わるエンジニアのニーズが高まっています。
これらの職種に共通することは、ITスキルだけではなく、ビジネスやマーケティングなどの知見を持っていること、高いマネジメント力があることです。
しかし、日本では供給が追いついておらず、人材不足が深刻化しています。

中小企業では優秀な人材を確保しづらい

エンジニア不足は深刻化していますが、待遇改善やワークライフバランスの実現がしやすい大手企業なら優秀な人材を確保しやすいという現状があります。
一方、中小企業では優秀な人材の確保が難しい面があります。
大手企業が優秀なエンジニアを独占しており、大手ほどの待遇改善が難しいため人材確保が難しい状況です。

エンジニアが不足している背景とは

そもそも、なぜエンジニアは不足しているのでしょうか。
ここでは、エンジニアが不足している理由を解説します。

IT分野の急速な発展

IT市場の発展は目覚ましく、さまざまな商品やサービスの開発にITテクノロジーが使われており、ITへの需要は高まり続けています。
これに伴い、ITスキルを持ったエンジニアのニーズも拡大しており、エンジニア不足が加速化しています。

エンジニアの高齢化

IT分野で活躍するエンジニアの高齢化も大きな要因です。
少子高齢化に伴い労働人口は高齢化しており、エンジニアも例外ではありません。
一方、若手エンジニアは今後も増加する見込みが薄いと予測されています。

劣悪な労働環境のイメージ

IT分野のエンジニアは激務だというイメージがあることも要因の1つです。
仕事が忙しくて休みが取れない、長時間労働が常態化しているなどのネガティブなイメージが根付いており、人材が集まりにくいという課題があります。

技術革新への対応

IT分野は常に進化しており、技術革新が著しい分野です。
そのため、新技術への対応も必要になります。
しかし、通常の業務が忙しくて技術革新に追い付けない、新しいスキルを学ぶ時間がないなど、スキルアップできないエンジニアも少なくありません。

少子化による人材不足

日本では少子化が加速化しており、労働人口の減少が懸念されています。
IT分野に携わるエンジニアだけでなく、そもそもの労働人口が減少していくなか、日本国内のみでエンジニアを確保することは難しいとされています。

エンジニア不足に対する国の取り組み

このように、エンジニア不足は深刻化し続けていますが、国も無策で手をこまねいているわけではありません。
エンジニア不足に対応するために、政府として対策に乗り出しています。

具体的な取り組みは以下のとおりです。

  • セキュリティキャンプ:情報セキュリティに関する合宿形式の講習会
  • U-22プログラミング・コンテスト:22歳以下を対象としたプログラミングのコンテスト
  • 未踏事業:IT人材を発掘・育成する事業
  • 中高生等のデジタル関連活動支援:中高生のデジタル関連活動への支援

エンジニア不足に関する今後の展望

現実にエンジニアが不足していることがわかりました。
では、今後エンジニア不足はどうなっていくのでしょうか。

エンジニア不足は当面続く見込み

エンジニア不足は今後も当面続く可能性が高いといえます。
エンジニアの育成は一朝一夕とはいかず、すぐにエンジニアが増加する見込みは薄いでしょう。
そのため、企業によってはエンジニアの採用が難しくなる可能性もあります。

IT分野は今後も発展

エンジニア不足は続きますが、IT分野は発展し続けています。
IT企業は世界的に見てもビジネスをけん引しているともいえる立場にあり、今後も成長を続けるでしょう。
そのため、エンジニアのニーズはより一層高まります。

採用ニーズの変化

IT技術は日々進化し続けており、常に新しい技術が求められています。
IT技術の発展に伴い、企業の採用ニーズも変化していて、最新技術を持つエンジニアのニーズが高まっています。
しかし、最新技術を持つエンジニアは少なく、奪い合いが激化すると考えられるでしょう。

エンジニア不足に対して企業が行うべき対策

企業として、エンジニア不足への対策は急務です。
ここでは、エンジニア不足への対策を解説します。

エンジニアの育成

エンジニアの採用は難しい現状にあるため、社内でエンジニアを育成することが求められます。
エンジニアの育成を社内で行うことにより、自社の業務やニーズに合った人材を育てられるというメリットがあります。

エンジニアの待遇改善

エンジニアの待遇改善も欠かせません。
給与アップや長時間労働の削減、有給の取得推進など労働環境を改善しましょう。
エンジニアを募集する際に、自社の待遇を発信することで効果的にアピールできます。

外国人材の雇用

日本では労働人口が減少しているため、海外出身のエンジニア採用を検討することも1つの方法です。
国としても、新しい在留資格の創設や留学生の活躍推進などを行っており、教育プログラムも充実化してきています。

柔軟な働き方の促進

働き方についての見直しも必要です。
リモートワークやフレックスタイムなど、柔軟な働き方を導入するとよいでしょう。
柔軟な働き方を認めることで、幅広い人材を獲得できるチャンスが広がります。

今後エンジニアの需要拡大が見込まれる分野

エンジニアの需要は今後も高まっていくと考えられます。
ここでは、需要拡大が見込まれる分野について解説します。

データサイエンティスト

データサイエンティストとは、企業が収集したビッグデータを分析し、企業の利益につながる知見を見つけ出す職種です。
データエンジニアリングスキルだけでなく、ビジネススキルなどのマネジメント力も求められます。

AIエンジニア

AIエンジニアとは、AIプログラムの開発やデータ解析などに携わるエンジニアです。
たとえば、お掃除ロボットやスマートアシスタント、検索エンジンの最適化、自動運転技術の開発など、生活に身近な機器などの開発・解析を行います。

ロボットエンジニア

ロボットエンジニアとは、ロボットの開発や設計、運用などを行うエンジニアです。
ロボットを構成するセンサーや、知能・制御・駆動に関係する技術の開発、プログラミング、メンテナンスなどに携わります。

IoTエンジニア

IoTとは、モノとインターネットをつなぐ技術です。
IoTエンジニアは、IoT製品の開発に必要となる組み込み系のスキルや知識、ネットワークやセキュリティの知識が必要です。
また、AIと合わせて利用するケースも多いため、AIに関する知識も求められます。

ソフトウェアエンジニア

ソフトウェアエンジニアとは、アプリやソフトウェアなどを開発するエンジニアです。
アプリやソフトウェアにどのような機能を持たせるのか、操作画面の構成などを考えて設計し、プログラミングを行います。

システムエンジニア

システムエンジニアとは、クライアントの要望に応じて最適なシステムを開発するエンジニアです。
プログラマーの上位職であり、要件定義や要件分析などの上流工程を担当し、プロジェクト全体を見ながら開発を進める役割です。

エンジニアを採用する主な方法

エンジニアを採用する方法はさまざまです。
ここでは、主な方法として3つの採用方法を解説します。

求人広告

求人媒体に求人情報を掲載する方法です。
求人広告は幅広い層に求人情報を見てもらえる可能性があり、多くの層にリーチできます。
ただし、待遇などで他社と比較されやすく、待遇で劣っていると応募者が思ったように集まらない場合もあります。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業から直接候補者にアプローチする方法です。
自社が求める人材に直接アプローチできるため、効率的に採用活動が行えます。
ただし、企業側から接触を図るため、応募者の企業に対する興味が低いケースも多いことが課題です。

人材紹介サービス

人材紹介サービスとは、サービスへ登録し候補者をマッチングしてもらう方法です。
自社に合った人材を紹介してもらえる可能性がある反面、人材が不足している場合はあまり紹介してもらえないケースもあります。

まとめ

エンジニア不足は深刻化しています。
IT技術の発展によりエンジニアの需要は高まっていますが、供給が追いついておらず優秀な人材の確保が難しくなっています。
エンジニア不足に対応するためには、待遇改善や働き方の見直し、自社におけるエンジニアの育成などが必要です。

また、エンジニア採用を検討する場合、転職顕在層だけでなく転職潜在層へのアプローチをすることで優秀な人材を採用できる可能性も広がるでしょう。

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この記事を書いた人

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パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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