採用ブランディングで効果を出すためには?基本からメリットや事例も解説
こんにちは。「TECH PLAY Branding」ライターチームです。
採用ブランディングとは、採用市場において自社が注目されるよう、ブランドとして自社をアピールするための戦略のことです。人材不足が広く叫ばれる時代、採用ブランディングは人材獲得に大きく役立ちます。
この記事では、採用ブランディングの概要から、採用ブランディング成功のポイントまで解説します。ぜひ参考にしてください。
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目次
採用ブランディングとは
採用ブランディングとは、採用において自社をブランディングしていくことを指しています。
ブランディングは「ブランド化する」あるいは「ブランドをつくる」という意味の英語です。商品やサービスについてブランディングを行うことはよくありますが、昨今では採用においてもブランディングが行われています。
採用におけるブランディングは、他社と差別化した唯一無二の存在としてアピールし、新卒の求職者や転職希望者、転職潜在層などに自社への応募を促すためのプロセスのことです。
採用ブランディングを行うと、応募者数が増えるだけでなく、さまざまなメリットがあります。
採用ブランディングが注目されている背景
採用ブランディングが注目される最も大きな理由に、日本で深刻化が進む人手不足があります。2022年4月に行われた株式会社帝国データバンクの調査によると、正社員の人手不足を感じている企業は45.9%、非正規社員の人手不足を感じている企業は27.3%となりました。
人手不足の原因の1つに少子高齢化があり、出生率の改善がみられない中で、自社に合った良い人材を採用するのは年々さらに難しくなることが想定されます。
そこで重要になるのが採用ブランディングです。
採用ブランディングは減少する求職者に効果的にアピールを行うための手法で、これまで以上に重視する企業が増えつつあります。
参考:人手不足に対する企業の動向調査(2022年4月)|株式会社帝国データバンク
採用ブランディングと採用広報の違いについて
採用ブランディングと間違えられやすい言葉に、採用広報があります。
採用広報とは、自社を効果的にアピールしていくための広報活動です。
一方、採用ブランディングは広報活動ではなく、ブランド化そのものが業務となります。
とはいえ、採用ブランディングも採用広報も、最終的な目的は共通しています。
採用広報を行うときには、常に採用ブランディングも意識しておかなければなりません。
反対に、広報活動だけを行っても、ブランディングがうまくできていないと採用活動が失敗してしまうこともあります。
採用ブランディングの目的
採用ブランディングの大きな目的は「事業計画と連動した人財の採用」です。
事業計画を意識することで、計画達成にふさわしい必要な人財像を洗い出し、適した人材を採用することが採用ブランディングです。
目的に沿った採用活動は方向性が定まっているため、採用を行う企業と採用した社員とのミスマッチを防ぎ、社員エンゲージメントの向上に繋げられます。社員エンゲージメントとは、社員が自分自身の意志で、自然に企業に対して感じることのできる愛着、いわば愛社精神のことです。
採用ブランディングのメリット
採用ブランディングには以下のようなメリットがあります。
企業の認知度が向上する
採用ブランディングを行うと、企業の存在や価値・認知度が上がります。
求職者は企業に対して何かしらのイメージを抱きますが、採用ブランディングによってイメージと実態が違うと感じるかもしれません。たとえば、世間では堅いイメージが浸透している企業ではあるものの、実は役職者を含めてフラットに話せる環境にあることが採用ブランディングによって認知されるケースもあります。
同様に、社風、企業が力を入れている新しい領域と募集職種の連動性など、採用ブランディングでは企業の認知を高めながら偏ったイメージを補正していくことができます。
応募者が増える
上述したように、企業の認知度や価値向上に伴い、応募者が増えることが採用ブランディングのメリットです。
社風が自分に合うかどうか不安な場合は応募を見送ってしまう求職者も、社風が自分に合うと思えば応募に踏み切りやすくなります。その結果、良い人材に出会える機会が広がります。
質が高くマッチング精度の高い応募者が集まる
採用ブランディングが上手に行われている企業では、採用にあたって質の高い応募者が集まりやすくなります。これは、採用ブランディング活動によって企業が求める人材や、企業に合った人材が明確になるためです。
企業が求める要素に自分が合致しないと考える求職者は応募を見送りやすく、企業とのマッチング精度の高い応募者が増えます。
採用コストを削減できる
採用においてマッチング精度の高い応募者が集まる企業では、採用コストを削減できるようになります。採用の時点で応募者の質が高いため、内定を辞退する応募者や面接回数が減ることに加えて、最終的に入社に至った社員の定着率が高いことも採用コスト削減の理由です。内定辞退が少なく、既存社員の定着率も高ければ、採用活動の機会が減るためコスト削減に繋がります。
採用ブランディングのデメリット
採用ブランディングには一定のデメリットもあります。どのようなデメリットがあるか確認しておきましょう。
全社的な取り組みが必要
採用ブランディングは全社を挙げて取り組み、実践する必要があります。
企業として情報発信を行う際、目標や社是、社内の雰囲気、人事評価の姿勢など、すべてが統一されていなければブランディングにならないためです。
社内全体の意思統一を図るため、採用担当部署以外の協力を仰ぐ必要性があります。
成果が出るまでに時間を要する
採用ブランディングの成果は、すぐには現れません。
企業としてブランディングの方針を定め、方針に則して情報発信を行ったとしても、企業の認知度や価値が上昇するまでは一定の時間を要します。そのため、中長期的な視点で長く取り組むことを前提にすることが大切です。
継続した情報発信が必要
採用ブランディングで成果を発揮するためには、継続的な情報発信が必要なため手間がかかります。継続を怠ると求職者の目に触れにくくなるため注意しましょう。
発信を継続することでブランドイメージが定着しやすくなり、徐々にターゲットからのアクセスを集められます。
採用ブランディングを進める手順
採用ブランディングは、以下の手順で進めます。
自社の分析
採用ブランディングは、自社のポジション分析から行います。業界全体における自社の立ち位置や、採用市場全体における自社の注目度などをシビアに把握しましょう。
分析を行う中で、自社の魅力やブランド構築につながる要素を明確化することが重要です。自社の長所や独自の部分について注目してみましょう。
求める人材の明確化
事業計画に沿って、自社に必要な人材について明確化します。明確にするには、ペルソナを設定することが有効です。ペルソナとは、仮想の人物像のことを指します。
採用ブランディングにおいては、企業が採用したい人材の条件を落とし込んだ仮想の人物がペルソナです。年齢、性別、性格、住む地域、卒業した高校や大学、アルバイト歴やこれまでの職歴などを設定してみましょう。
発信する情報を選ぶ
設定したペルソナに従って発信する情報を選びます。求める人材に届くだけでなく、響くような情報を選ぶことが重要です。
発信する情報は、求職者がメリット感じるポイントを打ち出す必要があります。そのためには、ペルソナの設定を確実に行い、ペルソナがメリットを感じられそうなポイントを明確にしましょう。
情報の発信方法を選ぶ
効果的に採用ブランディングを行うためには、情報を発信する手段や方法も重要です。
情報発信の形態としては、自社で制作する採用サイト、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNS、YouTubeなどがあります。
採用メディアや求人サイトなどの媒体は求職者の目にもとまりやすく、採用ブランディングの活かしどころです。
採用ブランディングを継続する
採用ブランディングは、継続した中長期的な取り組みが必要な手法です。一定期間、何らかの施策を行った後、効果を測定・分析し、結果を次の施策に活かさなければなりません。
PDCAを回しながら少しずつ改善すると効果的です。
採用ブランディングの成功ポイント
採用ブランディング成功のポイントは、中長期的な視点を持つということです。すぐに大きな効果が期待できないことを念頭に置き、数年単位で費用対効果を計測し続ける必要があります。
一度に複数の施策を実施するのも難しいため、できることから取り入れ、企業の成長と採用の強化につなげると良いでしょう。
採用ブランディングには、採用面以外にも副次的効果があります。たとえば、採用ブランディングがうまく回ることによって企業の認知度が向上し、新たな顧客層を開拓することも効果の1つです。
こうした影響も視野に入れて費用対効果を計測しましょう。
採用ブランディングの成功事例
採用ブランディングの成功事例には、以下のようなものがあります。
サイボウズ
ソフトウェア開発や業務改善サービスを行っているサイボウズ株式会社では「100人いたら100通りの働き方があってよい」というスタンスをもとに採用ブランディングを実施しました。
情報発信のために「ワークスタイル」という採用ページを設置し、社内の働き方改革や福利厚生などの充実度を紹介しています。
結果としてサイボウズは、採用市場で自由な働き方が可能な企業と認識され、離職率も3~5%と低く保たれています。
タニタ
体重計などを製造している株式会社タニタでは「タニタ健康プログラム」などの健康経営に着手し「体脂肪計タニタの社員食堂」の存在は食堂だけでなくレシピ本も大ヒットしました。「人々の健康に対する貢献度の高い企業」というブランドイメージを広く認知させることに成功した事例です。
経営理念が広く知られ、共感する応募者が集まるという点で採用ブランディングとしても大きな成功を収めています。
まとめ
採用ブランディングは、人材不足といわれるなかで、自社に合った人材を効率よく採用していくために注目を浴びている手法です。長期にわたり分析や改善を続けながら少しずつ効果をあげれば、採用コストの削減や企業の知名度を上げられるなどのメリットがあります。
採用ブランディングの手法として、転職潜在層にも効果的に自社の魅力をアピールできる「TECH PLAY Branding」の利用がおすすめです。
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すでにレッドオーシャンとなっているエンジニア転職市場において、転職潜在層へアプローチできる数少ないサービスの一つです。
この記事を書いた人
TECH PLAY BUSINESS
パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点
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