エンジニア組織づくりの重要性とは?内製化のメリットやポイントなどを徹底解説

組織設計 2023.11.17

こんにちは。「TECH PLAY BUSINESS」ライターチームです。

社会全体でIT需要が高まっていることから、エンジニア採用に力を入れる企業が増えています。しかし、エンジニアは採用で数を増やすだけでなく、自社での育成と定着するための組織作りが重要です。

この記事では、エンジニアの組織作りについて、必要性やエンジニア組織を内製化するメリット、組織作りのポイントなどを解説します。組織づくりにあたっての注意点にも触れるので参考にしてください。

エンジニア組織を内製化する必要性

そもそもエンジニア組織は、外注するよりも内製化したほうが大きなメリットがあります。これまでは、国内企業のほとんどが外注でシステム開発を行ってきました。しかし、IT需要の高まりによって、ニーズに対してより柔軟でスピーディな対応が求められています。

そこで必要とされているのが、外注ではなくエンジニア組織の内製化です。大手企業をはじめ、中小企業でもエンジニア組織を内製化する動きが進んでいます。

エンジニア組織を内製化するメリット

エンジニア組織の内製化には、以下のようなメリットがあります。

柔軟で迅速な対応ができる

エンジニア組織を内製化すると、システムに関連する業務の小回りが利くようになります。開発業務もスピーディに進められるようになるでしょう。一方、外注のままでは情報共有から認識のすり合わせ、テスト、検収まで、さまざまなプロセスの一つひとつに時間がかかります。

業務の追加または変更があった場合も、外注は対応可否の確認や見積もり、支払などが必要になるため迅速な対応は困難です。その点、内製化されていれば迅速に対応できます。

自社のITリテラシーを向上させられる

エンジニア業務を外注している企業では、ITリテラシーが不足しているところが多いのが現状です。ITリテラシーが不足していると、システム開発を外注しても失敗しやすいリスクがあります。

エンジニア組織を内製化すると、自社のITリテラシーを向上させられ、さらにシステム開発のノウハウの蓄積も可能となるのがメリットです。

エンジニア組織づくりに関する課題

エンジニアの組織づくりにはいくつかの課題もあります。それぞれについて解説します。

優秀なエンジニアの採用が難しい

2023年2月時点におけるエンジニアの求人倍率は10倍を超えている状態で、優秀なエンジニアの採用が困難になっています。どの企業でも、エンジニアのニーズが高まっていることが要因です。

優秀なエンジニアは、好条件の企業に取られてしまい、採用市場では出会いにくいのが現実となっています。エンジニアの組織づくりに優秀なエンジニアは不可欠ですから、採用の問題を乗り越えることが重要になります。

エンジニアを採用しても早期退職してしまう

エンジニアを採用しても、定着しにくいという問題があります。エンジニアの早期退職により、採用・育成コストが無駄になるほか、再度新しい人材の採用・育成コストが増えるのもデメリットです。エンジニアが早期退職してしまう理由には以下のようなことが考えられます。

・給与面で満足できていない

・社員間のコミュニケーションがよくない

・評価があいまいで納得できない

・やりがいが感じられない

こうした課題を組織化によって解決することで、早期退職の予防につながるでしょう。

他の組織と対立しやすい

エンジニア組織は、営業部門や経営層と対立しやすい環境にあります。営業部門に対しては、営業からの無理な注文に対してエンジニア側の不満がつのりやすいのが難点です。一方で、エンジニア組織のミスを営業側がフォローすることに対し、営業側の不満が出ることもあります。

経営層に対しては、エンジニアが経営層からの指示に対して成果を出せなかった場合、モチベーションの低下につながります。一方、経営層はエンジニア組織に自主性の低さを感じてしまいがちです。このような企業内の対立は、エンジニア組織が社内で定着しない要因となるため改善する必要があります。

エンジニア組織に必要となる要素

エンジニア組織に必要な要素について、以下に解説します。

エンジニアが求める職場環境の構築

エンジニア組織を維持するためには、エンジニアが求める職場環境を構築することが重要です。エンジニアの入社理由として上位を占めるのは「安定して働けそう」「技術を伸ばせそう」「成長できそう」といったことです。企業の理念、商品・サービスよりも、エンジニアにとっては職場環境が重視される傾向にあるため、企業側も良い環境を整える必要があります。

エンジニアマネージャーの存在

エンジニアそれぞれのニーズに応えるためにも、エンジニアマネージャーの存在が重要です。エンジニアマネージャーは、同じエンジニアの立場から適切な業務管理とエンジニアのケアを行うため、定着率の向上にもつながります。各エンジニアがパフォーマンスを十分に発揮できるように、管理できる人材を複数人配置するのが理想です。

組織への帰属意識の維持

エンジニアが組織への帰属意識が薄くなると、モチベーションが低下し、給与や職場環境への不満が出る傾向にあります。とりわけ事業が大きくなるにつれて、組織のビジョンやコンセプトはわかりにくく、帰属意識が薄れがちです。企業内でのエンジニア組織の役割が認識できるように、定期的な啓蒙活動などの取り組みを行いましょう。

エンジニアの主体性

継続的に開発の成果を出すためには、エンジニアそれぞれの主体性を高く維持する必要があります。主体性を維持する方法として重要なのは、エンジニアが抱える問題や不満を解決し、モチベーション向上を図ることです。したがって、定期的なヒアリングなどを行い、エンジニアに対する適切なケアが求められます。

エンジニア組織づくりで必要となるポイント

エンジニア組織づくりでは、以下にあげる5つの要素を取り入れることが重要です。

エンジニアに共感されるビジョン設定

エンジニアのやりがいやモチベーションを維持し、定着率を向上させるために、エンジニアに共感されるビジョンの設定が大切です。経営層の一方的なビジョンを押し付けるのではなく、エンジニアが共感できることを重視しましょう。ビジョン設定の際にはエンジニアの意見も取り入れ、エンゲージメントの向上を図るのがおすすめです。

組織のビジョンや文化に合った人材の採用

組織を安定させるためには、組織のビジョンや文化に合った人材の採用が必要です。ビジョンや文化にマッチしない人材を採用してしまうと、早期退職につながる可能性が高まります。そのため、組織のビジョンと文化を踏まえた採用方針の確立が必要です。すでに在籍している従業員の傾向も参照しながら、採用すべき人材を見極めましょう。

エンジニア組織の社内におけるコミュニケーション設計

エンジニアが組織内だけでなく、他部門とのコミュニケーションもできるよう設計していくことも大切です。交流の機会を設定することで、コミュニケーション不足による対立を防ぎます。組織内外で情報共有の場を設けることや、他部門と連携が取れるようなルール設定も必要になるでしょう。

エンジニアが納得する人事制度の確立

エンジニアが自分の能力や努力を正当に評価されていないと感じた場合、早期退職につながりやすいため、納得度の高い人事制度の確立が重要です。適切な評価制度が確立されていれば、エンジニアの育成にも役立ちます。また、エンジニアに納得してもらえる人事制度があれば、モチベーションの維持につながる点もメリットです。

エンジニアのキャリアパス設計

キャリアパス設計をしておくと、エンジニアに自主的な成長を促すことができます。成長を促すことは、組織力の向上につながる要素です。また、企業が設計したキャリアパスをベースにして、さらにエンジニアの意見や希望も取り入れることで、エンジニアのモチベーションやエンゲージメントの向上にも役立ちます。

エンジニア組織づくりの注意点

エンジニア組織をつくる際には、以下のような点に注意しておきましょう。

採用コストや設備コストを把握しておく

エンジニア組織づくりには、人材採用や設備投資にコストが発生します。これらのコストがどれくらいになるか、事前に把握しておくことが重要です。事前に目安を立てておかなければ、コストが大きくなり企業の負担となる可能性があります。組織作りの成功に向けて、自社に合った採用手法や設備を見極めましょう。

コスト重視で開発業務を進めない

コスト削減のために人件費や開発費用の削減に集中すると、エンジニアが定着しない原因になります。エンジニア組織づくりのためには、コスト削減を重視しないことが大切です。

エンジニア組織の内製化によって小回りが利くようになれば、業務のPDCAを高速化し、より高い成果を上げられます。そのためには先行コストをある程度かけつつ、エンジニアのモチベーション向上やエンゲージメントの高い人材の育成に努めるべきです。

内製化だけにこだわらない

エンジニア組織を内製化しても、すべてを内部のみで解決しようとせず、必要に応じて外注も活用することをおすすめします。100%内製化にこだわると、際限なくコストが膨らんでしまったり、効率よく成果が出せなくなったりするデメリットもあります。開発・運用・保守など、自社に不足している要素については外部と連携し、より良い組織活動を目指すことも必要です。

まとめ

エンジニア組織の内製化は、小回りが利き対応力のある作業が可能になるため、企業に大きなメリットがあります。ただし、エンジニア組織づくりには課題もあるため、外注を活用しながら課題を解決することも検討しましょう。

自社でエンジニア組織を組み立てる場合、早期に組織を運用できるまで成長させるのは難しいものです。パーソルイノベーションが運営する「TECH PLAY BUSINESS」では、エンジニア組織の構築に関して、組織設計、エンジニア採用支援、育成まで、一気通貫での支援が可能です。

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この記事を書いた人

TECH PLAY BUSINESS

パーソルイノベーション株式会社が運営するTECH PLAY。約23万人※のテクノロジー人材を会員にもつITイベント情報サービスの運営、テクノロジー関連イベントの企画立案、法人向けDX人材・エンジニア育成支援サービスです。テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX化の成功をサポートします。※2023年5月時点

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